完璧な商品など無い。
メリットがあればデメリットがあり、その商品のデメリットを埋める他の商品がある。
その「他の商品」にもまた何かのデメリットがある・・・そうしてブラッシュアップした商品が考案される。
そんな事を感じながら購入したバーナーである。
P-153 ウルトラバーナーを使っていて、ガスカートリッジにバーナーを取り付けクッカーを乗せた時に結構高さがあり、そこから来る不安定感がどうにも好きになれずにいた。
もちろんP-153は素晴らしい名機で、私も愛用している。
そして、前述の「不安定感」は直結型のシングルバーナーでは構造上仕方のない事なのも理解している。
言うなれば、コンパクトさとのトレードオフである。
キャンプをするようになり、シングルバーナー1つでは食事の効率が悪いので、バーナーを追加する事を考えた結果、私が選んだのはP-155Sウルトラ・スパイダーストーブⅡだった。
P-153を所有していたから、燃料の共通化の観点からPRIMUSのバーナーにする事は決めていた。
キャンプにも登山にも使おうとすると、シングルバーナーが候補となり、前述の問題を解決するギアは…そう分離型のシングルだ!
なんかよく分らない導入となってしまいましたが(笑)、分離型シングルのP-155Sをレビューして参ります。
最後まで読んでみてくださいね。
P-155Sのスペック
項目 | スペック |
---|---|
出力 | 3.6kW/3,000kcal/h(Tガス使用時) |
ガス消費量 | 210g/h |
燃焼時間 | 約65分(IP-250ガス使用時) |
ゴトク径 | 大168mm/小118mm |
収納サイズ | 9.3×10.0×3.5cm |
本体重量 | 167g |
- ガスプレヒート機構内蔵
- ナイロンスタッフバッグ付属
- ガスカートリッジ別売
- ※圧電点火装置は装備してません
実機レビュー
ゴトクはP-153ウルトラバーナーと同様の構造の「X字ゴトク」を備えており、風に強い構造になっています。
燃焼時の音はP-153よりは多少マイルドな気がしますが、なかなかパワフルな音がします。
重さは、167gとスペック通りです。
本体の足からゴトクまでは約10cmです。
逆さU字型の黄色っぽい金属の所が「ガスプレヒート機構」になります。
燃焼前にバーナー部近くのプレヒートパイプを通すことでガスを温め、気化しやすくさせることにより燃焼効率を上げるという仕組みです。
一体型と比べると、やはりゴトクの足とホースのある分かさばります。
バッグに収納してしまえば分離型が手の平1個分(一体型は手の平半分くらい)なので、かさばると言っても知れていますけどね。
ホースが硬く本体がホースに引っ張られてしまうので、バーナー単体では安定性はありませんが、鍋などを乗せるとしっかり安定しますのでご安心ください。
スペックにも記載がありますが、点火装置は搭載されていませんのでライターなどの準備をお願いします。
P-155SとP-136Sの比較
PRIMUSの分離型シングルバーナーには、P-155Sの他にP-136Sエクスプレス・スパイダーストーブⅡがあります。
P-136Sのスペック
項目 | スペック |
---|---|
出力 | 2.8kW/2,400kcal/h(Tガス使用時) |
ガス消費量 | 155g/h |
燃焼時間 | 約70分(IP-250ガス使用時) |
ゴトク径 | 156㎜ |
収納サイズ | 8.7×4.0×8.3㎝ |
本体重量 | 195g |
- ガスプレヒート機構内蔵
- ナイロンスタッフバッグ付属
- ガスカートリッジ別売
- ※圧電点火装置は装備しておりません。
スペックでの比較
項目 | P-155S | P-136S |
---|---|---|
火力 | 3.6kW/3,000kcal/h(250Tガス使用時) | 2.8kW/2,400kcal/h(Tガス使用時) |
ガス消費量 | 210g/h | 155g/h |
燃焼時間 | 約65分(IP-250ガス使用時) | 約70分(IP-250ガス使用時) |
ゴトク径 | 大168mm/小118mm | 156㎜ |
ゴトクのブレード数 | 4本 | 3本 |
収納サイズ | 9.3×10.0×3.5cm | 8.7×4.0×8.3㎝ |
本体重量 | 167g | 195g |
価格 | 14850円(公式) | 12100円(公式) |
比較検討の結果
- 火力が強い
- ゴトクが大きい
- ゴトクのブレードが多い
この3点が決めてとなり私はP-155Sを購入することに決めました。
キャンプでの調理の効率化が目的であり、ガスの消費量は優先度の高い項目では無かったので、トータル的にスペックが高いP-155Sにしました。
ちなみにP-136Sの利点はというと、P-155Sよりバーナーの重心が低く、調理中の安定性はP-136Sに軍配が上がりそうな感じです。
我が家での使われ方
今のところですが、キャンプをする際の我が家の火力はこんな感じです。
- 焚き火
- 一体型シングルバーナー(PRIMUS P-153ウルトラバーナー)
- 分離型シングルバーナー(PRIMUS P-155Sウルトラ・スパイダーストーブⅡ)
焚き火でメイン料理(バーベキューとか鍋とか)をし、一体型バーナーで湯沸かしやレトルト食品の温め、分離型バーナーで炊飯
こんな感じで使い分けしています。
低重心で輻射熱の影響を受けない分離型バーナーがあると、鉄板なども安心して使用できるのでやれることの幅が広がりそうです。
登山でのバーナー選択について
私の場合、登山ではインスタント食品や温かい飲み物を作るためのお湯を沸かすことがバーナーを使用する主目的になります。
そのため、ガス缶を収納したクッカーに同梱できる一体型を選ぶことが多いです。
- コンパクトでクッカー内のスペースに収まること
- ガス缶を置くスペースがあれば使用できる
これは一体型の大きなメリットです。
分離型はそれなりに時間的・体力的な余裕があり、調理も楽しむ時に持って出かけたいアイテムだなと思っています。
必須ではなけいれども有ると選択肢が広がるアイテムという捉え方です。
さいごに
P-155Sを始めとする分離型シングルバーナーは、キャンプに登山に活躍してくれる守備範囲の広い道具です。
コンパクトさを重視する場合は一体型。
コンパクトさを優先しないケースや、グループ登山・キャンプなど数人の調理をする場合などには分離型。
シーンによって上手に使い分けて、あなたのアウトドア体験がより充実したものになれば幸いです。
キャンプではやはり「調理」をする事が多いので、分離型バーナーの出番が増えているように思います。
それではまた。
今回ご紹介した商品
P-155S ウルトラ・スパイダーストーブⅡ
P-136S エクスプレス・スパイダーストーブⅡ